特集

強く握らずに絞り切る。マークスプロダクツのチューブスクイーザー

2026年8月24日 RADSTOCK 編集部
日本の住宅の洗面台の隅に置かれた、ほぼ空になった無地のチューブ

チューブの底を、指の腹で何度もしごく。歯磨き粉、わさび、ハンドクリーム。中身が残り少なくなったときの、あの手つきです。

歯磨き粉の棚に、からしと絵の具の話が置いてある

RADSTOCKの商品ページで、この道具は「歯磨き粉」というカテゴリに入っています。ところが同じページの仕様欄を下まで読むと、想定されている中身はそこで止まっていません。からしやワサビ、おろし生姜といった食品から、歯磨き粉、絵の具、ヘアカラー、軟膏まで並んでいる(メーカー表記)。台所と洗面所、それに絵の具箱までを、ひとつの道具でまたいでいることになります。

棚を見ていて目が止まったのは、その振れ幅のほうでした。その日に私が並べて見ていたのは、切る、混ぜる、こす、和える――料理の途中で手にする道具ばかりでした。これは違う。商品説明が使う場面として挙げているのは、中身が残り少なくなったときです。作る道具ではなく、終わらせる道具に見えました。

「閉じる」と「回す」が、別の動作になっている

商品説明は、性能の話から入りません。最初に置かれているのは動機のほうです。「チューブの残りが少なくなったとき、最後まで使い切らずに捨ててしまうのはもったいない」(メーカー表記)。道具の紹介を、もったいないという気持ちから始めている。マークスプロダクツのチューブスクイーザーは、そこから先を四つの工程に割った、という順序で書かれています。

本体を開いてチューブの端をローラーに挟む。本体を閉じる。ハンドルを時計回りに回して絞る。最後にハンドルを逆へ少し回し、本体を開いてチューブを取り外す。

その手順のあとに、一行だけ注が付いています。「「閉じる」と「回す」の工程が分かれているので、強く握りながらチューブを絞る必要がありません」(メーカー表記)。短いほうの説明にも「強く握りながらレバーを回す必要はありません」とあります(メーカー表記)。

私がこのページで足を止めたのは、その一行でした。大きく置かれている売り文句は「最後まで無駄なくしっかり絞り出せるので環境にやさしくエコ」のほうで(メーカー表記)、工程が分かれている話は、手順の下に注として付いているだけです。私には逆に見えました。どれだけ出せるかより、どうやって出すのかのほうが、この道具を選ぶ理由に近いところにあると思うからです。

細かいことですが、四つ目の工程――ハンドルを逆へ少し回してから本体を開く――まで手順に書かれているのも、私には好ましく思えました。挟んだものを外すところまでが操作である、という書き方をしています。

挟む側の作りも書かれています。ローラーは歯車形状で、特殊強化硬質プラスチック製。がっちりと噛み合いチューブに密着する、という説明です(メーカー表記)。製品全体の原材料としては、ABS樹脂と、グラスファイバーで強化したポリカーボネート樹脂が挙がっています。どの部分にどちらが使われているかは書かれていません。

寸法は123mm×36mm×76mm、重量70g。耐冷・耐熱温度は105℃と記載があります。洗い方については、商品ページに案内がありません。食洗機に入れてよいかどうかも書かれていない。書かれていないことを、書かれているように読まないでおきます。

木の作業台に並べて置いた、幅の広い平たいチューブと細長いチューブ
同じくらいの長さでも、平たいチューブと細いチューブでは幅が違う(イメージ)

78mmという適合幅を、先に測る

適合はチューブ幅78mmまで。ローラーの幅が78mmだからです。ここは寸法の話なので、好みや相性が入り込む余地がありません。手元のチューブを平らに置いて、いちばん広いところに定規を当てる。78mmを超えていたら対象外です。

気をつけたいのは、商品ページが適合の条件として挙げているのが、容量ではなく幅だという点です。確かめるのは、いちばん広いところの寸法のほうです。

もうひとつ、金属とプラスチックの両方のチューブに対応する、と仕様にあります。ただし、絞ったあとに形がどう残るかまでは商品ページから分かりません。同じ道具で扱えると書かれていることと、扱ったあとの見え方が同じであることは、別の話です。

そして、この道具がいちばん合わないのは、チューブを最後まで使い切らない人だと思います。残りが少なくなったら次を開ける、という進み方をしている台所なら、出番そのものが来ません。ここで買うことになるのは道具というより、使い切るという習慣のほうです。習慣の側に興味がないなら、置き場所を取るだけになります。

ブランドはオーストリア、製造は中国

仕様欄には、ブランド国名がオーストリア、製造国が中国と、二つ並べて書かれています。私はヨーロッパの道具を探すのが好きですが、ヨーロッパのブランドなら中身までヨーロッパで作られている、という読み方はしません。この商品ページは、ブランドの国と製造の国を、別々の行に分けて書いています。二つをまとめて一つの原産地のように見せない書き方を、私は信用します。

MERX PRODUCTSがページに掲げているのは「暮らしに、いいモノを。」の一行だけで、自分の素性を長くは語っていません(メーカー表記)。

白い樹脂の、装飾のない箱形。商品写真を見るかぎり、洗面台の隅にあっても台所の引き出しにあっても、風景を変えない道具です。私がこれを選んだのは、姿が良かったからではありません。残りが少なくなったときにしか出番のない仕事のために、歯車とハンドルまで用意してある。その過剰さを面白いと思ったからです。

商品を見る:マークスプロダクツ MERX PRODUCTS チューブスクイーザーの詳細・在庫をRADSTOCKで確認

仕様参照:RADSTOCK商品ページ(マークスプロダクツ チューブスクイーザー 白)(2026年8月24日確認)

RADSTOCK OFFICIAL LINE

商品選びをLINEで相談できます

フライパンのサイズ、ウェーロックの長さ、商品の使い方など、購入前の疑問をお気軽にお送りください。