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マキネッタはIHで使える?直火式エスプレッソメーカーの選び方と淹れ方

2026年7月25日 RADSTOCK 編集部
ビアンキ カフェティエラとエスプレッソカップの並ぶキッチン

この記事の結論:マキネッタ(直火式エスプレッソメーカー)選びで最初につまずくのが「熱源」です。小型のモカポットはアルミ製で底の直径が小さいものが多く、IHが反応しない・ガスコンロの五徳に安定して乗らないという壁にぶつかります。解決策は3つ。①IH対応の本体を選ぶ、②IHヒーティングプレートを敷く、③ガスバーナープレート(小さな五徳)を使う。この記事では淹れ方の手順、3つの解決策の使い分け、安全上の注意までまとめました。

マキネッタ(直火式エスプレッソメーカー)とは

マキネッタは、下部のタンクに入れた水を火にかけ、発生した蒸気の圧力でコーヒー粉の層を押し上げて抽出する器具です。イタリアの家庭で朝の定番として使われてきた道具で、日本では「モカポット」「直火式エスプレッソメーカー」とも呼ばれます。

電源が要らず、コンロと火さえあれば濃いコーヒーが淹れられるのが魅力です。構造は下からタンク・粉を入れるバスケット・抽出液が上がる上部の3層。サイズは「何カップ用」で表され、1カップはエスプレッソ1杯分の少量を指します。

マキネッタのコーヒーはエスプレッソと何が違う?

厳密には「エスプレッソそのもの」ではありません。業務用のエスプレッソマシンは高い圧力をかけて短時間で抽出しますが、マキネッタは蒸気圧のみで抽出するため、一般的に圧力はずっと低いとされています。

そのためマシンのようなきめ細かいクレマは出にくく、味わいはやや穏やかです。とはいえドリップと比べれば明確に濃く、少量で満足感のある一杯。「マシンの代わり」ではなく「濃く淹れるためのもうひとつの抽出器具」と捉えるのが、長く付き合うコツです。

マキネッタの基本の淹れ方|5ステップの手順

覚えてしまえば毎朝4〜5分の作業です。どのモデルにも共通する基本の型を5ステップで整理します。

  • ①水を入れる:下部のタンクに水を注ぎます。水量は機種ごとの表示に従います。側面に安全弁がある機種では弁の下までにとどめます(弁を水没させると圧力の逃げ道がなくなる恐れがあります)。安全弁の有無や水量の目安はモデルにより異なるため、必ず取扱説明書をご確認ください。
  • ②粉を入れる:バスケットに細挽きの粉を入れ、縁ですり切って平らにします。押し固める(タンピング)必要はありません。詰めすぎは圧力上昇の原因になります。
  • ③本体を組む:バスケットをタンクにセットし、上部をしっかり締めます。緩いと蒸気が横から抜けて抽出できません。
  • ④弱火にかける:火加減は弱火が基本です。強火で一気に加熱すると雑味が出やすく、取っ手を傷める原因にもなります。
  • ⑤音で見極める:抽出の終わりが近づくと「ゴボゴボ」という蒸気の音に変わります。この音が聞こえたら火から下ろします。

抽出時間は容量や火力によります。ビアンキカザリンギのカフェティエラ2カップでは、メーカーの説明で弱火で約4分が目安とされています。

おいしく淹れるコツ|挽き目・水量・火加減

挽き目は細挽きが基本。ただしエスプレッソマシン用の極細挽きは避けます。カフェティエラの取扱説明でも、細挽きを使用し極細挽きは使用しないよう案内されています。細かすぎると目詰まりを起こします。

濃さは水の量で調整します。粉を増減させるより失敗が少なく、器具への負担もかかりません。同じくカフェティエラの説明でも、味の濃さは水の量で調整するよう案内されています。

火加減は弱火を守ります。時間をかけて静かに上げるほうが、えぐみの出にくい仕上がりに。急いで強火にしても、早く落ちるだけで味はよくなりません。

マキネッタがガスコンロに乗らない・IHで反応しない理由

1つめの理由は素材です。従来の小型モカポットはアルミ製が主流で、アルミは誘導加熱の仕組みに反応せず、そのままではIHで加熱できません。

2つめは底の直径です。日本のIHは鍋底が一定以上の直径でないと反応しない設計が一般的で、底径の小さいポットはステンレス製でも認識されないことがあります。同じ理由で五徳の上でもぐらつきます。

熱源 底径の小さい小型モカポット 底径が大きいIH対応モデル
ガスコンロ 五徳に乗らず不安定。補助プレートが要ることが多い 大きな五徳に直接置けるものがある
IHヒーター 素材・底径の条件を満たさず反応しないことが多い 対応表記と対応鍋底径を確認すれば使える
その他の熱源 製品により異なる 製品により異なる

※対応可否は製品ごとに異なります。購入前に商品ページの熱源表記をご確認ください。

3つの解決策を比較|IH対応本体・IHプレート・ガスプレート

熱源の壁は、次の3つのどれかで解決できます。まず全体像をつかんでください。

解決策 該当商品 価格(税込) 対応熱源 向いている人
①IH対応の本体 ビアンキカザリンギ カフェティエラ2カップ 14,300円 IH・ガスほか これから買う/自宅がIH
②IHヒーティングプレート フラボスク IHヒーティングプレート12cm 3,850円 IH・ガス 手持ちの一台をIHで使いたい
③ガスバーナープレート イルサ ガスバーナープレートφ12cm 2,420円 ガス 五徳に乗らず困っている

お気に入りの一台をすでに持っているなら②か③、これから一式そろえるなら①が素直な選択です。

解決策①:IH対応の本体を選ぶ|ビアンキカザリンギ カフェティエラ2カップ

IHで淹れる、ふたりぶんのエスプレッソ。
PICK UP 01

IHで淹れる、ふたりぶんのエスプレッソ。

イタリア・ビアンキカザリンギのカフェティエラ 2カップ専用(#7170)は、メーカーの説明では従来の小型モカポットにはなかったIH対応モデルとされています。メーカーによれば、タンク底の直径を約13cmと大きく設計することで日本のIH調理器にも対応するようにしたモデルとのことです(IHでは鍋底直径13cm対応の小口でご使用ください)。

メーカーの説明では、裾が広い特殊な形状のためガスコンロにも直接置いて加熱でき、その他さまざまな熱源でも使用できるとされています。抽出したコーヒーはノズルからカップへ直接落ちるスタイルです。メーカーからは、ノズル部の寸法に合うサイズのカップを使うこと、抽出の最後は蒸気が噴き出してコーヒーが多少飛び散るためノズル高さと同等の高さのカップを使うことが案内されています。材質は18-10ステンレスで、メーカーはアルミニウム製に比べて衛生的で丈夫だと説明しています。

寸法131×146×140mm、使用時最大容量120ml、重量476g、ガスケットの耐熱は260℃。イタリア製で14,300円(税込)です。IHでは鍋底直径13cm対応の小口を使うこと、タンクの底から火がはみ出さないようにすることが案内されています。

カフェティエラ2カップの商品ページを見る →

解決策②:IHヒーティングプレートを敷く|フラボスク12cm

「本体は気に入っているのに、引っ越し先がIHだった」。そんなときに使えるのがIHヒーティングプレートです。フラボスクのモカポット用直径12cmは、ガス用の器具をIHで使うためのアダプター。φ11.8cm×2.5mm、重量122g、5層構造(ステンレス‐銀‐アルミ‐銀‐ステンレス)、イタリア製で3,850円(税込)です。

購入前に知っておきたい注意点が2つあります。1つは、プレート自体をIHで加熱し熱伝導で鍋に熱を伝える仕組みのため、IH専用の鍋よりも加熱時間が長くかかること。使う鍋や環境によっても差が出ます。

もう1つは、土鍋やセラミックの鍋、ガラス製ポットなど熱伝導率の低い材質のものや、鍋底に凹凸があるものには使えないことです。金属製のマキネッタであっても、鍋底に凹凸があるものは使用できません。ガラス製のコーヒーサーバーや土鍋・セラミック鍋に使う予定の方は特にご注意ください。

なお12cmタイプはIHとガスの両方で使えるため、ガスコンロに乗らない小さなポットを乗せるアダプターにもなります。

使い方は、プレートをIHクッキングヒーターの中心に置き、その中心付近に鍋やマキネッタを乗せて加熱します。火力は加熱状態を見ながら手動で調整してください。プレート自体が高温になります。加熱中・直後は素手で触れず、十分に冷めてから片づけてください(移動に便利なマグネットノブが別売で用意されています)。サイズは12cm・14cm・22cmの3種類があるため、お使いの器具の底の接地面直径を確認してお選びください。

フラボスク IHヒーティングプレート12cmの商品ページを見る →

解決策③:ガスバーナープレートを使う|イルサ φ12cm

「小さすぎて乗らない」を解決する、小さな五徳。
PICK UP 02

「小さすぎて乗らない」を解決する、小さな五徳。

「エスプレッソメーカーを買ったら、小さすぎてガスコンロに乗らなかった」。そんなときの定番アイテムが、イルサのガスバーナープレートφ12cm。ガスコンロ・アダプターとも呼ばれる、イタリア製の小さな五徳です。

五徳の上にこのプレートを重ね、中央にマキネッタをのせれば、底径の小さいポットも安定して加熱できます。小さなスキレットやミルクパンにも使えます。仕様はφ120×8mm、重量174g、材質は鋳鉄(表面はエナメルコート)、イタリア製で2,420円(税込)です。

使うときは火力に注意してください。マキネッタは弱火が基本です。カフェティエラの取扱説明でも、タンクの底から火がはみ出さないよう案内されています。炎が器具からはみ出すと取っ手やパッキンを傷める原因になります。また、鋳鉄製のプレート自体も高温になります。使用中・使用直後は素手で触れず、十分に冷めてから片づけてください。

イルサ ガスバーナープレートφ12cmの商品ページを見る →

何カップ用を選ぶ?サイズの選び方

押さえたいのは「大は小を兼ねない」点です。マキネッタは規定の水量で使う前提の設計のため、6カップ用で1杯分だけ淹れる使い方には向きません。

カップ数 おすすめの使い方 ひとこと
1〜2カップ ひとり分・ふたり分の毎朝の一杯 底径が小さい製品が多い。IH対応かは要確認
3〜4カップ ふたり暮らし/来客が時々ある家庭 取り回しと容量のバランスがよい
6カップ以上 家族分をまとめて/カフェラテを複数杯 毎回満量で使う前提。少量抽出には不向き

ひとり・ふたりなら2カップ前後が現実的です。カフェティエラ2カップは使用時最大容量120mlの2カップ専用モデルで、ふたり分を一度に淹れる用途に向いています。

素材で選ぶ|アルミとステンレスの違い

マキネッタの素材は大きくアルミとステンレスに分かれます。どちらが優れているという話ではなく、性格が違うと考えるのが正確です。

素材 特徴 注意点
アルミ 軽く熱が伝わりやすい。手頃な価格帯が多い IHでは基本的に使えない。腐食への配慮が必要
ステンレス 丈夫でにおい移りが少なく、手入れの自由度が高い アルミより重くなりやすい。IH対応かは底径次第

ビアンキカザリンギは18-10ステンレスを採用した理由を、アルミ製は内外面の腐食が気になるためだと説明し、同素材を腐食しにくく衛生的で耐久性に優れるとしています。熱源対応の考え方は軽いフライパンの選び方ガイドでも触れています。

安全に使うための注意点|空焚き・加圧・やけど

マキネッタは内部に圧力がかかる調理器具です。ここは省略せずにお読みください。

  • 空焚きをしない:水を入れずに火にかけると破損や事故につながります。
  • 安全弁をふさがない・水没させない:圧力を逃がす重要な部品です。水は弁の下までにとどめ、穴の詰まりを定期的に確認します。
  • 粉を詰め込みすぎない:押し固めると抽出経路がふさがれ、内圧が上がりすぎます。
  • 抽出直後は素手で触らない:本体全体が高温です。開けるのも洗うのも、十分に冷めてから行います。
  • 火をはみ出させない:タンクの底から炎がはみ出すと、取っ手やパッキンを傷めます。
  • 補助プレートも高温になる:IHヒーティングプレート・ガスバーナープレートは本体と同様に高温になります。素手で動かさず、冷めてから片づけます。

ガスケット(パッキン)の状態確認も安全に関わります。破損や傷みがある場合は使い続けず交換してください。カフェティエラでは、本体と一緒に交換用ガスケットを買っておくことがメーカーから勧められています。

使い始めの「慣らし」とお手入れの方法

意外と知られていないのが使い始めの「慣らし」です。カフェティエラの取扱説明では、初めて使うときや長期間使わなかった場合、慣らしとして2〜3回コーヒーを淹れ、そのコーヒーは飲まずに捨てるよう案内されています。

日々の手入れは使用後に毎回。特にフィルター部とガスケット部にコーヒーかすを残さないようにします。カフェティエラは食器洗い機で洗えますが洗剤は使わないこととされ、普段は水またはぬるま湯で洗う方法が案内されています。硬いスポンジ・研磨剤・漂白剤は避けます。

長く使うと内部に水垢がたまることがあります。お酢やクエン酸を水で薄めて注ぎ、5〜6時間置いてから水でよく洗い流す方法が案内されています。洗浄後は必ず前述の「慣らし」を行うようメーカーから案内されています。

マキネッタのアレンジ|カフェラテ・アイスカフェラテ

カフェラテ:抽出したコーヒーをカップに注ぎ、温めたミルクを加えます。ミルクの量はコーヒーの2〜3倍が目安。泡立てておくと口当たりが一段とやわらかくなります。泡立てのコツは毎朝が変わるアエロラテのある暮らしで紹介しています。

アイスカフェラテ:氷を入れたグラスに冷たいミルクを注ぎ、抽出したてのコーヒーを静かに落とすときれいな二層に。濃いぶん、氷で薄まっても味がぼやけにくいのが利点です。

カフェシェケラート・アフォガート:コーヒーと氷、好みで少量の砂糖をふた付きの容器で振れば夏向きの一杯に。バニラアイスにかければアフォガートです。少量で濃いという特性が、応用範囲の広さになります。

よくある質問(FAQ)

マキネッタはIHで使えますか?

製品によります。アルミ製はIHでは使えず、ステンレス製でも底径が小さいと反応しないことがあります。IH対応と明記され底径の条件を満たす本体を選ぶか、IHヒーティングプレートを併用してください。

コーヒー豆の挽き目はどれくらいですか?

細挽きが基本です。エスプレッソマシン用の極細挽きは目詰まりの原因になるため避け、市販の粉なら「細挽き」表記のものを選んでください。

ガスコンロに乗らないときはどうすればいいですか?

手軽なのは、ガスバーナープレートを五徳の上に重ねる方法です。IHとガスの両方で使いたい場合は、12cmのIHヒーティングプレートなら1枚で両方に対応できます。

まとめ|熱源から逆算すれば、マキネッタ選びは迷わない

  • マキネッタは蒸気圧で抽出する器具。マシンのエスプレッソとは別物
  • 基本は「水は安全弁の下まで・細挽きをすり切り・弱火・音が変わったら火を止める」
  • つまずきやすいのは熱源。素材と底径の2つが原因
  • 解決策は①IH対応の本体、②IHヒーティングプレート、③ガスバーナープレート
  • 空焚き・安全弁・やけど・ガスケットの確認は必ず守る

自宅がIHでこれから買うならカフェティエラ2カップ、手持ちの一台をIHで使いたいならIHヒーティングプレート12cm、五徳に乗らないならガスバーナープレートφ12cm。熱源から逆算すれば、答えは自然に絞り込めます。

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